飲食店の経費削減方法とは?
飲食店の経営にはどんな経費が必要なのでしょうか。それぞれの経費の適正割合について説明します。
またこれらの経費を削減する方法を紹介。ただしマニュアル通りの経費削減ばかりでは、お店の特徴や売りが消えてしまう恐れもあります。経費削減をする上での注意ポイントも合わせて紹介します。
飲食店の経費を見直そう
飲食店を経営する際の経費は、固定費と変動費にわけられます。その内訳とそれぞれの売上に対する適正割合は以下のとおりです。
固定費
- 家賃(賃料):7〜10%以内
- 減価償却費、リース料、支払利息など:5〜10%
厨房機器などの減価償却費、リースで調達した場合のリース料、金融機関から借入金がある場合の支払利息など
変動費
- 原材料費:30〜35%
- 人件費:27〜30% スタッフ(正社員を含む)へ支払う給与手当
- 水道光熱費:5〜7%
- 広告宣伝費:5%
- 消耗品費、諸経費:5%以下
固定費を削減する方法
固定費は毎月決まった額の支出なので、一度削減できればトータルで大きな削減になるとともに、継続的な節約になります。
- 家賃(賃料)・共益費
- 物件のオーナーと交渉します。
ただ「下げてほしい」だけでは伝わらないので、長期入居を希望するなど、オーナー側のメリットとなる条件を伝えた上で交渉しましょう。
- 電気、ガス料金
- 契約プランを見直します。
電力会社・ガス会社のみならず多くの企業で多様なプランが用意されています。
24時間営業の飲食店や深夜をメインに営業している飲食店には、夜間の電気料金が安く設定されているプランを選ぶといいでしょう。
- 下水道料金
- 自治体によって減免が受けられる場合があります。自治体によって条件が異なるので、お店を構える自治体に問い合わせてみましょう。
- 保険、リース契約
- 飲食店向けの保険には、一般的な火災保険から食中毒の際の保険、火災を含め損害や盗難、休業損害など幅広くカバーする総合保険もあります。
実際の経営内容や売上に補償内容があっているかを見直し、本当に必要な補償に改めて保険料を削減します。
リース契約しているものは、購入に切り替えることも含め他社と比較し、支出が一番抑えられるものを選びます。
- 銀行の振込手数料
- 食材や飲み物の仕入れ、おしぼりやレンタルマット代など、取引先への毎月の支払いを銀行のATMで行うとその都度手数料がかかります。
ネットバンキングの利用で、手数料を抑えることができます。
- インターネット回線、電話回線
- 今や飲食店に不可欠なインターネット回線ですが、プロバイダやプランによって料金が異なります。店舗形態にあった内容で他社プランと比較して見直します。
変動費を削減する方法
電気代
- 省エネ効果の高い設備の導入
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- 照明をLEDに切り替え
- 古い厨房機器や空調を買い換え(交換費用がかかっても長期的なランニングコストをみてお得になる場合)
- 設備管理を徹底する
-
- 業務用冷蔵庫や冷凍庫を適切な温度設定に
- 冷蔵庫に食材を詰め込みすぎない
- 冷蔵庫の冷気が逃げないよう冷蔵庫用のカーテンを設置
- エアコンの設定温度を季節に合わせた温度に変える
- エアコンの風向き設定を利用して室内を適温にする
- 定期的にエアコンのフィルター掃除を行いメンテナンス
水道代
- 水圧を変えずに水量を減らせる「節水コマ」を使用
- 食器を洗う順番に無駄がないか見直す
- 水漏れをしていないか定期的にチェック
人件費
- セルフオーダーシステムやセルフレジシステムを導入し、人手が足りない時間帯をカバーする
広告宣伝費
- 新聞折込など不特定多数への広告から、需要のある地域に絞ったポスティングに変える
- グルメサイトの掲載を厳選する
- SNSを利用し、お店のファンや常連を増やす
- 自社サイトのSEO対策をする
経費削減で注意したいこと
経費削減がスタッフの不満につながり、サービスの質が低下して、お客様がお店から離れてしまってはもともこもありません。
大切なのはサービスの質が低下しないよう、お客様目線で見直すことです。
例えば・・・
人件費を削減するのに、ただスタッフの数を減らしただけでは一人当たりの作業負担が増え、注文の取り間違えやレジの打ち間違えなどのミスや、料理の味の低下につながる恐れも。
この場合、
- 予約対応を電話からWEBサイトに切り替える
- セルフオーダーシステムを取り入れる
- セルフレジシステムを導入する
などスタッフのオペレーションをデジタル化することで、作業負担が軽減できます。スタッフに余裕ができれば、その分丁寧な接客ができ、お客様にも満足してもらえます。